情報と弱者の笑える関係

最近ぺりあーく君の通知領域に妙なアプリに関する広告が飛んでくるようになった。

今日のお話は、そんな広告から連鎖して考えた、情報の価値について。
(あ、別に情弱に関する話じゃねーのよ)

そもそものきっかけは、ここ二、三日前から、どのアプリが発信元かはよく分からなかったんだけれど、ASOBOって出会い系のアプリに関する広告が不定期に通知領域に出現するようになった事。

別にその都度消せば良い話なんで、今日まで放っといたんだけれど、やっぱり出所が分からない通知が気味悪かったので、今日のお昼休みにちゃちゃっと調べてみた。


寄り道しながら暫くウェブの海をうろうろしていたら、価格.comのクチコミ掲示板に関連スレを見つけた。
要約すると、AirPushって広告テクノロジーを使ってるアプリが広告の出所らしい。
スレの中で紹介されてるAirPush Detector使ってみたら、うちのぺりあーくに入れてた"MySettings"ってアプリがAirPushを採用してる事が分かった。前のバージョンに戻してみたらDetector反応しなかったんで、多分この前のアップデートで追加したんだと思う。
(思い返してみれば、この前のアップデートで権限追加してたっけかー

ウィスルとかの類じゃない事が分かって一安心したんだけれど、今回のこの一件でAirPushに対する反応を見ていて、少しだけ思うところが有った。

アップルとアプリ

ある時ふと、りんごが食べたくなった。
すぐ近くのスーパーに美味しそうで安価なりんごがあったら、それを買って食べれば良いし、りんごがあっても高かったり不好そうなら買わずに別の店を探すなり、りんごを食べるのを我慢するなりすれば良い。
まさか、俺はりんごが食べたいから、このりんごをタダで寄越せと喚き散らす様な人間は、一般人には居ないと信じたい。

別のある時ふと、スマートフォンに入れるTwitterのクライアントが欲しくなった。
マーケットを探すと、自分が求めている理想のアプリが、無償版と有償版の二つ提供されている。無償版と有償版に機能の差は無いけれど、無償版は広告が表示されるらしい。また、特定の権限がその広告の表示の為に必要らしい。
いざ無償版をダウンロードしてみると、アプリを起動していなくても勝手に広告が表示されるようになった。
多くのユーザーは、Twitterのクライアントが欲しかっただけなのに、こんな広告は酷いじゃないか、表示を止めろと、開発者に文句を垂れた。

情報サービスに対する対価

上の二つの例を見比べて、違和感を感じるのは僕だけだろうか。

普通の人なら、りんごを作るのにそれ相応の手間がかかって、それに応じた対価を払わなければならないことは重々承知しているだろう。
けれど、僕が散見する限り(きっかけとなったairpushに限らず)、普通の人はアプリを作るのにそれ相応の手間がかかって、それに応じた対価を払わなければならないことを、イマイチ理解していないような気がする。
或いは、広告の表示を許す事それ自体が、アプリを使用するための対価であることを、理解していないのだろうか。

先の例では、りんごは有償で提供されていたのに対し、アプリは無償有償をユーザーが選択することが出来た。お金を払う代わりに、広告を表示することを許すことで、ユーザーはアプリを無償で利用できるのは言うまでもない。
なのに、その広告に対して文句を言うのは、りんごを食べたいからタダで寄越せと言うのに、等しいとは思えないだろうか。


もちろん、AirPushの仕組みを全肯定するわけではない。
通知領域に広告を出すというのは、よく考えたなーと思う反面、じゃまくせーなこいつと思うのも事実だ。(もちそん、ユーザーがインストール時に権限を与えているからこそ広告が出るのだが)
ただ、それはアプリ開発者も重々承知しているだろうし、そんな広告を使えば、もしかしたらユーザーが離れるかも知れないのも承知しているだろう。
それでもそんな広告手段に走った開発者の懐事情や心情を、少しは察してあげて欲しいなぁと、技術者の端くれとしては思うのであった。

おまけ

ちなみに、件の"MySettings"は有償版が公開されていたので、すぐさまそちらに乗り換えたのは言うまでもない。(たかだか数百円なのよ

余り推奨したくない+その後の保証ができないけれど、AirPush導入以前のバージョンを保持しているユーザーは、そちらにダウングレードしてアプリをタダかつAirPush無しで使い続けるという手段もある。
ただ、そんなに愛用しているアプリなら、開発者に数百円くらい払ってやれよと思わないでもないが・・・・・・。